基本方針

伝統を受け継ぎ、
絆をつなぐ。

令和5年度スローガン

知行剛一

基本方針

複雑で変化が激しく先が読めない時代。
今ほどこの言葉の重みを感じる時はありません。新型コロナウイルス感染症の感染拡大、ロシアによるウクライナ侵攻など様々な出来事は直接的、間接的に我々の社会に影響を与え、需要の消失、労働力不足、デジタル化の遅れなど潜在していた社会課題を表出させました。当たり前が当たり前で無くなり、まだ先のことだと思っていた事態に直面する。このような時代に、我々「青年」経済人はどうあるべきなのでしょうか。

我々福井商工会議所青年部(以下福井YEG)は2019年に45周年を迎えるにあたり、次の5年間の行動指針となる「中期ビジョン」を策定しました。福井YEGを、時代の変化を捉えながら未来志向で豊かで住みよい郷土をつくる「越境し学びを得て、社会実装する実践コミュニティ」と定義づけ、地域のさまざまな諸課題に向き合い、考え、行動する。そして我々の行動が地域に根付き広がっていく(社会実装される)。このビジョンのもと、事業のオンライン化など実施手段の多様化。水ようかんなどの地域文化によるまちの賑わいづくりやスポーツを通じた活動人口増加に向けた交流の場作りなど新たな視点による事業を創出しました。コロナ下であっても歩みを止めず、前に進み続けてきました。

社会は徐々に、以前の姿を取り戻しつつあります。しかしコロナ下で我々が直面した社会課題は厳然として存在し、アフター・ウィズコロナにおける行動変容と相まって、新たな社会課題へつながることが予想されます。経済環境に大きなインパクトをもたらす北陸新幹線敦賀延伸も控えており、我々福井YEGには、これまでの取組からさらに一歩前へ。現状の改善にとどまらず、豊かで住みよい郷土を作ることとは何かを問い直し、新たな行動につなげることが求められています。

今年度の福井YEGは、会員1人ひとりが、行動の中で地域のよりよい姿を考え続ける。その考えをぶつけ合い、高めあい、新たな行動へと繋げていく「知的野武士集団」となることを目指します。先が読めない時代に確固たる答えは無いことを自覚し、誰かに答えを求めるのでは無く、自ら考え、実践する。組織の規律に縛られず、自身の枠に縛られず、自らが善いと思うことに果敢に挑む。1人では小さな活動かもしれない。しかしこれまで福井YEGは、会員の自主性を尊重し、懐深く個々の思いを受け止め、多くの事業を生み出し実践してきました。福井YEGのフィロソフィーとも言うべき多様性、寛容性、チャレンジ性を存分に活かし、我々が愛するこの郷土を、業を営むこの地域を、より善くしていきます。

知行合一※とは中国の陽明学における理念の1つで、知識と行動は1つになって初めて完成する。知って行わないのは、未だ知らないことと同じであるとする考え方です。私はここに、より強く固い信念を持って実践する想いを込め、「知行『剛』一」を本年度のスローガンとしました。本スローガンのもと、会員全員の思いを束ね、インパクトある活動に取り組んでいきます。

※参考)
「知は是れ行の主意、行は是れ知の功夫、知は是れ行の始にして、行は是れ知の成なり(知は行の目的であり、行は知の実際の修行である。また知は行の始めであって、行は知の完成である。)」
(明治書院、新釈漢文大系13 伝習録 より)

活動方針

共通

想いを形に、一歩踏み出して実践することは、それが新しいことであるほどに勇気が必要です。その勇気の源泉はその活動に対し自信と誇り(PRIDE)を持てるかであると考えます。我々が自身の活動に自信と誇りを持てるよう、本年度の活動を考えるうえでは次の5つをその基本指針とします。

  • Practical:設定した課題に対し実践的、実験的取組であること
  • Re-skiling:経営者・リーダーにこれから求められる新たな技能、知識またはその基礎知識を学ぶこと
  • Innovative:前例にとらわれず、新しい、これまでとは違う、または改善された取組となること
  • Diversity:多様な立場、属性をもった参加者に開かれていること
  • Empowerment:例会や事業の参加者に前に進もうという力を与えること

また事業を実施するには多くの会員の協力が必要です。そのための核となり前提となるのは会員相互の信頼と会の目標か会員に腹落ちすることです。我々は「組織のための会員」ではありません。福井YEGは「会員のための組織」です。そのために会員間の交流や意見交換のための場作りを積極的に行います。

まちづくり・ひとづくり

福井YEGは地域社会が抱える課題を設定し、その解決に向けてインパクトある取組を考え、実施してきました。一方で地域に広く認知され、当たり前のもの、無くてはならないものとして社会の中に組み込まれること(社会実装)を目指すには事業の継続性が求められます。まちづくりとひとづくりの観点から次の50周年に向けた新たな中核事業の立ち上げを目指します。

まちづくり

アフター・ウィズコロナ下において従来の「祭り」との関わり方に変化が生まれてきました。観光アプリや映えスポットなどコロナ下においてYEGが創りあげた資産の活用を軸に、祭りの枠にとらわれない事業活動の創出を目指します。

ひとづくり

地域の発展、自企業の発展において若い世代の成長に関与することは重要な投資活動です。働くことをより身近に考える世代への対象の拡大や協働事業の実施など、経営者だからこそできる新たなキャリア事業の創出を目指します。

自社の成長

地域を豊かにするためには自社の成長も目指さなければなりません。YEGは会員にとっての学びの場であると同時に、学んだ事を実践する「実験場・修練場」でもあります。本年度我々は「知的野武士集団」をコンセプトに、先の読めない事業環境の変化に対応するため経営者に必要とされる知識技能=基礎体力を身につけ、YEG活動の中で実践します。

次代へのバトン

R6年度に我々福井YEGは50周年を迎えます。次の5年、10年に向け中期ビジョン策定以後の事業を振り返り、検証し、次期ビジョン策定に繋げます。また中期ビジョンの大きな柱である社会実装に向け、我々の事業成果を行政への政策提言に繋げる準備を行います。

YEG的DX

WebサイトやSNSを使った広報活動や事業・例会のオンライン化(ハイブリッド化)、委員会活動におけるチャットツールの活用など、社会のデジタル化は私たちの活動にも大きな影響を与えています。一方でそのノウハウは一部会員に依存しており、会として適切に管理運用されていません。これらのノウハウを整理、共有し、持続的な活用を目指します。